ひとり立ちと初心の実現
法人のひとり立ち
私たちは事業と信仰のつながりのために、和田山と神戸にキリスト教伝道所を設けて独自の創業精神を発展させてきました。そして、1974(昭和49)年聖隷福祉事業団と取り交した公正証書に基づいて、1983(昭和58)年12月に厚生省認可を得て、翌1984(昭和59)年1月に新法人の登記を完了し、神戸聖隷福祉事業団として独立しました。
これにより神戸聖隷は兵庫県内有数の障害福祉事業集団となります。神戸では知的障害者を中心とした福祉サービスを提供、和田山では障害者に加えて高齢者福祉施設づくりにも挑戦していきます。神戸と和田山の距離や地域性の違いを「愛と奉仕の実践」を目指す神戸聖隷精神で縮め、大都市と地方の両極を見つめながら、その地域に必要な福祉サービスを提供する体制を生み出していきました。
思いを込めて特養「平生園」を開園
高齢者福祉は神戸聖隷の活動の原点です。神様の計らいで障害者福祉に取り組んで10数年、やっと高齢者福祉に挑む機会が訪れます。まず、1988(昭和63)年に老人デイサービスセンター「さくらの苑」を和田山町からの受託で開園。
そして、同年9月の理事会に和田山町長から特養建設の要請があり、念願の特養に着手。しかし時代はバブルの真っただ中。折あしく但馬を襲った台風被害の影響もあって平生園の建設費は高騰し、資金確保の悩みが付きまといました。
私たちは和田山町当局と共に「特別養護老人ホーム「平生園」の建設を支援する会」を立ち上げて、地域社会に訴えました。5つの小学校区ごとに説明会を開催して資金協力を行った結果、和田山町全4千世帯から5000万円を超す浄財が寄せられ、住民の皆様の大きな期待を担う責務を認識しました。